推し活ブームと吃音、熱狂できる場所の重要性

「推し」という言葉が当たり前になった。

アイドル、アニメキャラ、YouTuber、スポーツ選手——誰かを全力で応援することが、一つの文化として定着した。推し活グッズを買い、ライブに行き、SNSで語り合う。そういう生き方が、今の若者の間で広まっている。

吃音持ちとして、この推し活ブームを見ながら思うことがある。熱狂できる場所の存在が、吃音と向き合ううえでどれだけ大切か、ということだ。

吃音持ちにとって「安心できる場所」がいかに大切か

吃音があると、日常の多くの場面で緊張する。電話、発表、初対面の挨拶——声を出すたびに、「また吃るかもしれない」という不安がついてまわる。

そういう生活の中で、心から安心できる場所、熱狂できる場所があることは、メンタルを保つうえで非常に重要だ。

推し活は、その「安心できる場所」になりうる。推しのことを語るときは、吃音のことを忘れられる。同じ推しを持つ仲間との会話は、吃音があっても温かく受け入れてもらえることが多い。

推し活コミュニティは吃音に優しい

推し活のコミュニティには、独特の温かさがある。

共通の「好き」があるから、最初から話が弾む。相手のことを詮索しない。個人の事情より、推しへの愛が優先される。そういう空気の中では、吃音があっても「変な人」と思われにくい。

実際、推し活コミュニティで初めて「吃音があっても普通に話せた」と感じた吃音持ちは多いと思う。好きなことを話すときは、不思議と言葉が出やすい。吃音の症状が和らぐことがある。

熱狂することがメンタルを守る

吃音で傷ついたメンタルを回復させるには、自分が輝ける場所、夢中になれる場所が必要だ。

推し活はその一つの答えだと思っている。推しを応援することで、日常の辛さを忘れられる。推しが頑張っている姿を見て、自分も頑張れる気持ちになる。推しへの愛を語ることで、自己表現の場ができる。

吃音があっても、誰かを全力で応援することはできる。その熱量は、吃音と関係ない。

「好きなこと」が自信をくれる

推し活を通じて得た知識や経験は、自信につながることがある。

推しのライブに行って、初めて会った人と語り合った。推しのグッズを集めて、それを話題に友達ができた。推しについてのブログを書いたら、たくさんの人に読まれた。

そういう経験が積み重なって、「自分にもできることがある」という感覚が育っていく。それが吃音への自信にもつながる。

推し活ブームに乗っていい

吃音があって、日常に生きづらさを感じているなら、推し活を始めてみてほしい。

熱狂できる対象を持つことは、決して逃げじゃない。むしろ、過酷な日常を生き抜くための知恵だ。推しを持つことで、メンタルが安定する。メンタルが安定すると、吃音が出にくくなる。

推し活ブームは、吃音持ちにとっても追い風だ。好きなものを堂々と好きと言える時代に、全力で熱狂していい。

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