AIが電話対応をしてくれるサービスが増えている。予約の電話、問い合わせの電話、クレーム対応まで、AIが人間に代わって電話をかけたり、受けたりする時代が来ている。
吃音持ちとして、このニュースに真っ先に反応した。「これで電話の恐怖から解放されるのか」と。
電話という、長年の苦手
吃音持ちにとって、電話は特別に怖いコミュニケーションだ。
対面なら相手の表情が見える。間があっても、身振りでなんとかなることがある。でも電話は声だけが頼りだ。しかも、突然かかってくる。準備する時間がない。
「いらっしゃいませ、何名様ですか」の一言が出なかった経験がある。喉が詰まって声が出てこない。電話の向こうの相手を困らせてしまったこともある。あの経験は、今でも忘れられない。
AI電話代行というサービスの広がり
レストランの予約電話、病院の予約電話、サブスクの解約電話——こういった「やらなければいけないけど怖い」電話を、AIが代行してくれるサービスが登場している。
スマホのアプリで内容を入力すれば、AIが電話をかけて、要件を伝えてくれる。電話を受ける側も、AIによる自動応答システムが対応するケースが増えている。
これは、吃音持ちの日常を大きく変える可能性がある。
具体的に変わること
例えば、病院の予約。電話でしか予約できない病院は今でも多い。AI電話代行を使えば、自分が声を出さなくても、必要な予約を取ることができる。
レストランの予約も同じだ。電話番号しかない個人店に予約を入れたいとき、AIが代わりに電話してくれれば、声の不安から解放される。
クレジットカードの解約、引越しの手配、配達の確認——日常の「ちょっと面倒で怖い電話」を、AIに任せられる時代が近づいている。
それでも残る、人と話す必要性
ただ、AI電話代行が全てを解決してくれるわけじゃない。
仕事の電話、家族や友人との電話、緊急時の電話——AIに任せられない、自分の声で話さなければいけない場面は依然として残る。
AI電話代行に頼りすぎることで、「電話で話す」という経験そのものを避け続けると、いざ自分で電話しなければいけない場面で、より大きな恐怖を感じることになりかねない。
使い分けが大事
AI電話代行は、便利な道具として活用しつつ、完全に依存しないバランスが大切だと思っている。
事務的な電話、絶対に避けたい電話はAIに任せる。でも、人間関係を築くための電話、仕事で重要な電話は、自分の声で挑戦してみる。
そういう使い分けをすることで、AI技術の恩恵を受けながらも、自分の声で話す力を完全には失わずにいられる。
技術が解放してくれる自由
AI電話代行のようなサービスが広がることは、吃音持ちにとって明確な追い風だ。
電話への恐怖から、日常の多くの場面で解放される。その分のエネルギーを、本当に大切な人間関係や、自分が挑戦したい場面に使うことができる。
技術が、吃音持ちの暮らしを少しずつ楽にしてくれている。この流れを、ありがたく受け取りながら生きていきたい。

コメント