AI面接という言葉を初めて聞いたとき、正直ゾッとした。
人間の面接官ですら怖いのに、AIに判断されるのか。しかも、話し方や声のトーンまで分析されるらしい。吃音持ちにとって、これは希望なのか、それとも新たな地獄なのか。真剣に考えてみた。
AI面接とは何か
AI面接とは、カメラとマイクを通じてAIが応募者の話し方・表情・言葉の内容などを分析し、評価する採用手法だ。すでに大手企業を中心に導入が進んでいる。
人間の面接官がいないから、緊張が減るという人もいる。確かにそういう側面もある。でも吃音持ちにとっては、別の問題がある。
AIは吃音を「欠陥」として処理するのか
AI面接のシステムは、流暢さや話すスピード、言葉の詰まりなどを分析する。吃音が出ると、どう判断されるのか。
正直、今のAIには吃音を「個性」として認識する仕組みはほとんどない。詰まった発話は、不安や自信のなさとして処理されかねない。
これは吃音持ちにとって、人間の面接官以上に理不尽な壁になりうる。人間なら「あ、この人は吃音なんだな」と気づいて配慮してくれることがある。でもAIはそうじゃない。数値で判断する。
それでも、戦い方はある
ただ、悲観してばかりもいられない。AI面接には、実は吃音持ちに有利な側面もある。
まず、繰り返し練習できる。AI面接は何度でも録画して見返せるシステムが多い。自分の話し方を客観的に確認して、改善できる。吃音が出やすいシーンを把握して対策できる。
次に、タイミングを自分でコントロールできる場合がある。一部のAI面接は、回答を自分のペースで進める形式だ。人間の面接のような「沈黙への焦り」が少ない。
そして、内容で勝負できる。AIは言葉の内容も分析する。吃音があっても、話の論理性や具体性で高評価を得ることは十分可能だ。
本当の問題は、社会の設計にある
AI面接が普及することで、吃音持ちがさらに不利になるとしたら、それは吃音者の問題じゃない。社会の設計の問題だ。
採用システムが「流暢に話せる人が優秀」という前提で作られている限り、吃音持ちは不当に評価される。それはAIの問題ではなく、AIを設計した人間の偏見が反映されているということだ。
吃音があっても優秀な人間はいる。吃音があっても、仕事はできる。そのことをAIに学習させる必要がある。
吃音持ちとして、これからどうするか
AI面接の時代に生き残るには、話し方以外のところで差をつけるしかない。文章力、論理的思考、実績、ポートフォリオ。声に頼らないアピール方法を磨いていくことが、吃音持ちにとってのリアルな戦略だと思っている。
それと同時に、吃音への理解が採用システムにも広がってほしいと願っている。AI面接が「すべての人に公平」であるためには、吃音という特性を正しく理解したうえで設計される必要がある。
まだ道は遠い。でも、吃音を持ちながらもちゃんと声を上げていくことが、少しずつ社会を変えていくと信じている。

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